本拠地住所愛知県名古屋市中村区則武1-16-8第一Uコーポ405
法人名 | 特定非営利活動法人 全国こども福祉センター |
理事長 | 荒井 和樹 |
電話番号 | 052-756-3399 |
メールアドレス | kodofc@gmail.com |
活動拠点 | 愛知県(名古屋・知多半島・東三河)・東京 |
目次
センターの特徴・活動
【オンライン・オフラインでつながるアウトリーチ】
アウトリーチって?
援助機関を利用しない子ども・若者に働きかけること
私たちが大切にしているのは、
地域や児童福祉の枠組みを越えた支援を前提としないアウトリーチです。
保護や救済といったかかわりではなく、ひとりの人間としてかかわる、人間関係づくりを重視しています。
<活動内容>
・フィールドワーク
名古屋駅西口、雑踏の中で通行人や同じ場所に留まる若者を見つけたら、
積極的に声をかけていき、交流を図ります。信頼関係を築き、小さな困り事のうちに把握しておき、早期の段階で対応をしていきます。
・スポーツ/居場所づくり
「より多くの子どもたちが団体と繋がれるように間口を広くとっておきたい」
ということでスポーツのイベントもやっています。
バドミントンやフットサルを通じて体を動かしながらコミュニケーションをとり、色々なことを聞いて仲良くなることを目指しています。
・アウトリーチカフェ
オンラインで学校や地域、年齢の異なる様々な仲間とつながろう!
毎週土曜日20時から行なっています。
外出自粛、学校が始まらない、みんなに会えず家でひとり…
この活動ではオンラインでみんなの顔を見ながら親しい仲間と近況報告をして、レクリエーションを通じて新しい友達を作ることもできます。
同世代のスタッフが優しく気さくに話しかけてくれます
スポーツを通じて交流!
TOPメッセージ
創設者/理事長 荒井和樹さん
経歴
2012年 全国こども福祉センターの組織化
2013年 法人設立
かいごのじかん
荒井さん
元々は児童養護施設の職員をしていました。そこでは集団生活や児童養護施設独特のルールとして、安全安心な生活を送るための規則(食事や入浴時間、門限、外出制限、携帯電話使用不可)など、保護や支援と引き換えに、受け入れなければならないことがたくさんありました。そんな児童福祉の在り方に疑問を持ち始めたのがきっかけです。
児童福祉の在り方に子どもたちは既に疑問を持っていると考え、保護や支援を受けようしない子どもたちが集まるSNSやコミュニティサイト等の調査を始めます。公的福祉を利用せず、家出や誘拐目的の人を探す、援助交際で得たお金で自由な生活を選ぼうとする子ども・若者の姿がありました。
センターの立ち上げまでも試行錯誤の連続でしたが、利用者(子どもたち)目線で設計されていない児童福祉の在り方が当時の児童福祉の弱点だと感じました。
児童福祉や社会的養護というパッケージに子どもたち側が適応をしていく仕組みのため、こぼれてしまう。その課題に対する解決方法は子ども本人が知っている。直接聞いてみようというのが始まりです。繁華街での声かけや、居場所づくりは子どもの「救済」や「帰宅を促すこと」が目的ではなく、一緒に考え、協力しながら自分たちで変えていこう(良くしていこう)、という目的で行っています。
そのため、夜回り先生とは活動趣旨が異なります。
児童養護施設の仕事で気付いたことは、福祉は子どもたち本人と一緒に考えれば、もっとよくなるということです。児童養護施設も重要な機能、役割を持っていますが、公的福祉から漏れる子どもたちに対して、「施設か里親か選んで」「制度(仕組み)に合わせてください」と既存の枠組みに押し込むことが福祉専門職の仕事となっています。そこで、新たな取り組みとして、子どもたちが直接事業に参加する、創る、作用していくそんな環境を用意したいと考え、団体を設立しました。
かいごのじかん
なるほど、そんなことがあったんですね。ちなみに、
子ども虐待の現状
はどういった問題があるのでしょうか?
荒井さん
しかし、学校や地域(社会)とのコミュニケーションはオンラインにシフトしたため、ケースの発見は難しくなっていると思います。これまで、専門職は面接室や相談窓口など比較的安全な場所で利用者と出会い、アセスメントを行ってきたため、オンラインコミュニケーションによるアセスメント経験はほとんどありません。対話やしぐさから問題を発見するプロセスと、ネット上で交わされる言語、やりとりから問題を発見するプロセスは異なります。
支援者がオンラインツール活用や子どもたちが支持するコミュニケーション方法を導入できないのは、所属機関の問題や支援者の勉強不足が要因です。取りこぼしているSOSも数多くあるとすれば、虐待対応や相談対応で報告されている件数は、氷山の一角といえるでしょう。
かいごのじかん
心苦しいですね…
様々な活動がオンラインにシフトしていると思いますが、
現在の活動
は何をされていますか?
荒井さん
今はオンラインでのコミュニケーションを増やすように取り組んでいます。コロナ禍だから特別やっているというわけではありません。子どもたちと共に実践するよい機会になりました。
コロナ禍で発生した社会問題は、大人だけでなく、子どもたちの生活にも直接影響したことから、当事者意識をもって一緒に取り組める内容が多かったと思います。
だれも解決したことのない問題に子どもたちが向き合い、いつも以上に問題意識の共有ができたと思います。
かいごのじかん
オンラインの活動での効果
は出ていますか?
荒井さん
愛知、岐阜、三重など東海地区をメインに東京、埼玉、神奈川、千葉からの参加者もいます。オンラインなら離れた地域に住んでいても関係なく参加してもらえるので、より多くの人に来てもらえてありがたいです。
ネット上でYouTubeライブも企画しましたが、最終視聴者数が212人で現在も再生回数は伸びています。
今後も色々なイベントを打ち出して、スタッフの子どもたちにやってもらって、成功体験を積んでもらうということに注力したいと思っています。
かいごのじかん
実践的に取り組んでいけるのはいいですね。
運営していく上で
大切にしていること
はありますか?
荒井さん
人を大切にしていくことは、コミュニケーションなしに実現しないと思います。人間関係づくりは周りを頼ることから始まることも多いので、敢えて子ども・若者が課題に向き合う機会を意図的に作り出しています。10代や若いメンバーが主体となって動いているため、専門家からは批判的な意見もあるようです。慎重な立場をとることも十分に理解できますが、若者の発想や強みを生かして社会問題に取り組み、支援対象とされてきた人たちが主体となって活躍できる場をつくりたい。その力を引き出すのがわたしたちの役割と考え、活動しています。
活動するスタッフの方々にもお話を伺いました!
事務局 加納慎恭さん
クリエイティブソーシャルワーカー
営業職での経験を活かし、コミュニケーションに特化したオンラインコミュニティを企画運営
事務局 鈴木悠太郎さん
同法人三河支部代表
事務局としてメンバーを側面的にサポート
スタッフ 田中鈴乃さん
実際に声をかけられたことを機に活動に参加
今ではスタッフとして活躍中
かいごのじかん
センターの構成
はどうなっていますか?
加納さん
社会人の方もいますが、彼らには団体のことを知ってもらって、身の回りに困っている子たちがいれば紹介してもらうという形になればと思います。
かいごのじかん
社会人の方の参加経緯
はどういったものなんでしょうか?
加納さん
とくに、子どもたちと打ち解けてくれそうな方や側面的にサポートしてくれそうな方を歓迎しています。こちらからアプローチすることもあります。
かいごのじかん
ちなみに皆さんの
団体への参加経緯
はなんですか?
加納さん
実際に参加してみてディープな出会いがあってボランティアスタッフとして続けることにしました。
鈴木さん
卒業を控え、進路を考えないといけない時にゲスト講師で来ていた荒井さんの授業を受けました。地元で子どもたちの居場所作りの活動をしていたこともあり、将来的に仕事にしていきたいと思っていたので、直接話を聞いてコレだ!と思いました。
元々、小学校の教員免許を取る課程にいて進路は、一般就職か教育現場で働くことになるのですが、教育現場からは学べないことを全国こども福祉センターでは学べます。たとえば、教育実習を例に挙げるとすれば、教育現場では福祉の視点を無視した教育をしていたり、個人の人権を無視した指導等問題があります。なので自分は現場ではないなと思いました。
自分が中学の時に不登校を経験したこともあり、今は適応指導教室で非常勤講師をしています。
昨年の8月からこの団体に関わらせていただいて、この活動を地元でも広めたいと東三河支部の代表をさせてもらい、本部の事務局と掛け持ちをしています。
田中さん
街頭募金をしている子達が手を振って話しかけてくれて、一緒に参加してみることにしました。
かいごのじかん
活動をやっていて良かったと感じること
はなんですか?
田中さん
普段学校では、同級生や先生としか関われないですけど、全国こども福祉センターでは大学生や社会人など様々な人がいて、色んな意見が聞けるという点と、家族や友達には話せない相談事もここでは言えるという点で凄く助かっています。友達にこのセンターのことを紹介した時に、「教えてくれてありがとう。助かった。嬉しい。」という言葉が嬉しかったです。
あと、家族との関係がすごく良くなりました。以前は自分から思っていることを何も話さなかったんですが、ちゃんと会話をしようと思うようになりました。
全国こども福祉センターの方々に色々話を聞いてもらって、自分の気持ちが整理されて、自分も頑張ってみようと思ってから変わりました。
鈴木さん
大学の授業でも指導要項にはこうあるべきと理屈があるのですが、実際にそれが現場でできるのか?という疑問があり、不登校の子どもたちに心ない指導を浴びせる指導者もいたり、ここでの活動で得たことを基に問題定義したりできるようになればと思います。大学時代は通学に2時間かかっていたので、サークル、ボランティア等に参加する時間もなかったですが、卒業後はその機会が持てて色んな人と関われている時間が自分にとって大きなものになっています。
大学に行く以上の学びが出来ていると思います。
かいごのじかん
心を閉ざしている
子どもたちとの接し方のポイント
は何ですか?
加納さん
荒井さん
専門職との援助関係は期間限定のかかわりが殆どです。依存関係にならないために終わりを目指すからです。「依存」は健全な成長に必要で、依存先を増やしていくことが自立につながると考えています。そのため、支援を終結させることを目標にするならば、専門職を含め、社会との良好な関係づくりが不可欠といえるでしょう。ときに、線引きや役割を明確にした「専門職だけがかかわる」という場面も必要と思いますが、個人の生活課題や困り事は、普段のかかわりなくしては見えません。実際に生活に関与せず、生活場面を想像しているだけで、支援のミスマッチも発生しやすくなるでしょう。
一方、ボランティア仲間、同世代、友達という関係性は、長期的な関係に発展することも多く、人間関係を豊かにする可能性を広げます。心を閉ざしてしまう前に、非専門家が参与できる部分を増やすことがポイントと考えています。
かいごのじかん
今後やっていきたい活動
などはありますか?
加納さん
Twitterのライブをやってみたり、10人程度の少人数で夜中の0時~2時限定で深夜なので、名前もアウトリーチバーに変えてやってみようかとか…。
日中の活動の時間には行けないけど、来たいと思ってる子達と繋げられるような形にしていきたいと思っています。
もっと団体に興味を向けて、魅力的に感じてもらえるようにブランディングをしているところです。
田中さん
かいごのじかん
本日は貴重なお話ありがとうございました。
最後に代表の荒井さん、
今後のセンターの目標
を教えてください!
荒井さん
つまり、課題や目標を自分たちで決められる場所、活動できる環境を全国、世界に普及していくことがセンターの目標です。
取材まとめ
「福祉をわかりやすく」ということで、今回は児童福祉の分野で活躍する方々に取材をさせていただきました。介護から離れてしまうものではありますが、少し視野を広げれば自分のことや家族との関係に悩む子どもたちがすぐ近くにいるかもしれません。
思い当たる人がいた時に、こんな活動をしている、支えになってくれる人々がいるということを思い出して、繋いでいただけたら幸いです。
私自身、全国こども福祉センターさんの活動であるアウトリーチカフェにお招きいただいて参加して来ました。
内容の通り子どもたちが主体となって活動を進め、団体の雰囲気を作り上げていました。
”一部のメンバーが”ではなく、本当に”全員が”主体的に活動に参加して盛り上げている印象が強く、私も楽しくてついつい喋りすぎてしまいました(笑)
まだまだ認知が足りないとのことで、こういった取材や彼ら自身が行う街頭活動を通じて知ってくれる人が増えること、それによって悩んでいる子どもたちが真っ先にこのセンターと繋がって、一生涯の仲間を作って前進していけることを心から願っています。
当社が展開していく「かいごのじかん」は無料のWEB介護マガジンです。ですが営利団体として多くのユーザーを集めて介護を初めとする福祉分野で悩んでいる人のプラットフォームになっていく必要があります。見て頂いているユーザーに対してもっと有益な情報を揃えることが必要だと思っておりますので、今後の記事にも期待していただければと思います。
早速ですが
センター創設のきっかけ
から教えていただけますか?